「母親がかわいそう」と感じるたびに、心が苦しくなることはありませんか?
幼い頃から親の愚痴を聞かされ「お母さんを支えなきゃ」と思いながら生きてきた人は、
「家族を差し置いて、わたしだけ幸せになってはいけない」
「人からの頼み事を断るのを、申し訳なく思う」
と感じることがあります。
この罪悪感の正体は、子どもの頃に刷り込まれた思考のクセかもしれません。
でも、本当に「親に感謝しなければならない」のでしょうか?
親を大切に思う気持ちと、罪悪感に縛られることは別のものです。
今回は「母親がかわいそう」と感じてしまう理由と、
罪悪感から自由になる方法についてお話しします。
罪悪感に縛られず、自分らしく生きるためのヒントを見つけてくださいね。
「母親がかわいそう」と感じてしまう3つの理由

「母親がかわいそう」と感じると、自分の人生を生きることに罪悪感を抱えてしまいがちです。
そもそもなぜ「母親がかわいそう」と感じてしまうのか?
その理由を以下3つに分け、詳しくお話しします。
- 幼い頃から親の愚痴を聞かされてきた
- 「親に感謝しなければならない」と刷り込まれてきた
- 親自身に問題があると認めるのがつらい
【1】幼い頃から親の愚痴を聞かされてきた
子どものころから両親の関係が悪く、母親の愚痴を聞く相談相手になっていた人も多いのではないでしょうか。
幼いながらに「お母さんを支えなきゃ」「私がいないとダメなんだ」と思い込むと、
親を優先するクセがついてしまいます。
その結果、自己犠牲の傾向が強まり、親のために無理をし続けることに。
さらに親の感情をケアするうちに親子の立場が逆転。
親に依存される関係になることもあります。
こうした状態が続くと、子どもは自分の人生を生きられなくなり、親子ともに苦しくなってしまうのです。
【2】「親に感謝しなければならない」と刷り込まれてきた
もしあなたが「親には感謝しなければならない」と感じているなら、それは刷り込まれた価値観の影響かもしれません。
本来、感謝は自分の内側から自然と湧き出るもの。
けれど「〜しなければならない」と思うのは、義務感から生まれた感情です。
たとえば、
- 友人や親戚から「親に感謝すべき」と言われたことがある
- 社会的な「親孝行しなければならない」というプレッシャーを感じている
こうした経験があるなら、その価値観は他人から植え付けられたものかもしれないと疑ってみましょう。
そもそも、健全な家庭で育った人は「感謝しなければならない」とは思いません。
感謝は強制されるものではなく、自然と湧き上がるものだからです。
【3】親自身に問題があると認めるのがつらい
親自身に問題があると認めるのは、ただ親を否定するということではありません。
しかし、多くの人がこう感じます。
- 「親を否定すると、自分の人生を否定することになるのでは?」
- 「親が間違っていたとしたら、自分の人生はなんだったんだろう?」
こう考えると混乱や虚無感が生まれ、「親自身に問題があった」と認めるのがとても辛くなります。
でも本当に大切なのは、親の問題と自分の人生を切り離して考えることです。
罪悪感がある人に必要な「心の敷地」という考え方

人にはそれぞれ「心の敷地」があります。
それは自分の気持ちや考えを大切にするための領域です。
たとえ親子の関係であっても守られるべきものです。
しかし罪悪感を抱えやすい人は「自分の心の敷地」と「親の心の敷地」の境界線が曖昧になっていることが多くみられます。
幼い頃から親の感情の面倒を見てきた結果、親の問題をまるで自分のもののように引き受けてしまいます。
たとえば、
- 「お母さんが悲しんでいるのは、私のせいかも」
- 「親がこんなに苦しんでいるのに、見捨てるなんてできない」
- 「親が幸せにならないと、自分も安心できない」
このように考えてしまうのは、親の感情が自分の敷地に侵入し、境界線が崩れてしまっているからです。
親の気持ちは、親が自分で管理すべきもの。
子どもだったあなたが感じさせたものではないと、理解しておきましょう。
心の敷地への侵入がもたらす影響

親が子どもの敷地に踏み込みすぎると、
子どもは本来の自分を押し殺すようになってしまいます。
たとえば、
- 親の考えを否定することが許されない環境だった
- 「こうすべき」と価値観を押し付けられてきた
- 親の機嫌を取ることが当たり前になっていた
- 親の被害者意識が強かった
こうした状況が続くと、子どもは「自分の感情よりも親の気持ちを優先しなければならない」と思い込むようになります。
その結果、自分の意見を持つことに罪悪感を抱いたり、親のために自己犠牲をしてしまったりするのです。
心の敷地を守るために理解しておきたい事

親と子どもは、どんなに近しい関係であっても別々の人間です。
子どもに依存している心理状態は、親自身にとってもつらいもの。
自分の心の敷地を大切にすることが、親の自立を助けることにもつながります。
自分の心の敷地を守るために、次のことを意識してみましょう。
【1】「親の感情は親の敷地にあるもの」
親の機嫌や不満は、あくまでも親自身の問題です。
子どもであるあなたが責任を感じる必要はありません。
【2】「親の決断の責任は親自身にある」
親がどんな選択をしてきたとしても、それは親自身が決めて行動したこと。
子どもが責任を負うものではありません。
たとえば、「こんなにお金をかけて育てたのだから、親に感謝すべきだ」
と言われたとしましょう。
でもそれは親が自分でそうすると決めたことであり、
あなたが強制したわけではありません。
もし罪悪感を抱えてしまったら、その責任は本当に自分にあるのか、
一度立ち止まって考えてみましょう。
【3】「自分の敷地を守ることは、親を見捨てることではない」
親を大切に思う気持ちと、親の問題を引き受けることは別の話です。
切り分けて考えましょう。
お互いの心の境界を大切にすることが、
最終的に無理のない健全な親子関係につながります。
罪悪感を手放し、自分の人生を生きましょう

「母親がかわいそう」と罪悪感を抱えてしまう背景には、
幼少期の親との関係や、社会的な価値観の刷り込みが影響しています。
しかし親を大切に思うことと、自分を犠牲にすることは別の話です。
罪悪感から解放されるためには「心の敷地」を意識し、
自分自身の心を守る選択をしていきましょう。
お試しカウンセリングのご案内

もし一人で心の敷地を切り分けるのが難しいと感じるなら、
当カウンセリングをご活用ください。
『心の雨の相談室』では、心の深堀りとワークにより、
あなたの本当の気持ちに寄り添います。
ブレない自分軸を手に入れ、彩り豊かな人生を歩めるよう
精一杯サポートさせていただきます。
お気軽にご相談くださいね。
