「親と距離を取ると、なぜか罪悪感が湧いてくる。」
かといって
「近づきすぎると、心が苦しくなってしまう。」
そんな、どうしていいかわからない親子関係に悩んでいる方に向けて、この記事を書いています。
親を嫌いになりたいわけじゃない。
できれば、普通に関わりたい。
それなのに、親との関係が重たく感じてしまう……
その状態が続くと、気づかないうちに心はすり減ってしまいます。
その苦しさの背景には、「共依存」と呼ばれる関係性が隠れていることがあります。
この記事では、
- 親子の共依存とは何か
- 共依存は何が悪いのか
- なぜ距離を取ると罪悪感が出るのか
- 関係を断たずに健全に整えていく視点
を、心理的な背景も含めて解説していきます。
読み終えたとき、
「親と縁を切る」か「我慢し続ける」か、という二択ではなく、「関係を整える」という新しい見方が見えてくるはずです。
この記事を書いた人:心理カウンセラー 雨音(あまね)きよ
アダルトチルドレン、毒親育ち、愛着障害など「生きづらさ」を抱える方のための心理カウンセリングを行っています。
自らも生きづらさに苦しんだ経験から「誰もが自分の人生を生きられる世の中」を目指して活動中。
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親子の間に起こる共依存とは?

共依存は、一見すると「助け合っている」「支え合っている」ように見える関係です。
けれど実際には、お互いの心の境界線があいまいになり、気づかないうちにどちらも自由に生きづらくなっていく状態を指します。
親子関係では、たとえば次のような形で現れることがあります。
ケース1)過干渉の親と子の場合
親:「あなたのためを思って」と、子どもの選択に過剰に口を出し、コントロールしようとする
子:「親を悲しませたくない」と、自分の気持ちや意思を後回しにしてしまう
↓
お互いに離れることが怖くなり、親も子も、自立しづらい関係になっていきます。
ケース2)アルコールやギャンブル依存症の子と親の場合
親:「この子を救えるのは私だけ」と思い込み、お酒を買ってきたり、お金を貸したりしてしまう
(必要とされていることに、安心や喜びを感じている)
子:「どうせ親が何とかしてくれる」と、問題と向き合えず、
依存行動を繰り返してしまう
↓
互いに「必要な存在」でい続けることで、依存のループから抜け出せなくなってしまいます。
このように、表面上は愛情深く見えても、実際には支配と我慢が絡み合った関係になっていることがあります。
共依存が続くと、どちらも苦しさを抱えたまま、同じ関係性を繰り返してしまうのです。
関連記事:
親子間で起きる共依存の3つのタイプ

共依存は、性格の問題ではありません。
不安の中で身についた、関わり方のクセです。
親子間では、主に次の3つのタイプが見られます。
①支配型
②迎合型
③救済型
①【支配型】コントロールすることで安心しようとする
「あなたのためを思って」と言いながら、相手を管理したり、先回りして決めてしまうタイプ。
親の側に多いタイプです。
相手をコントロールすることで、無意識のうちに「自分は必要とされている」という安心感を得ようとしたり、存在価値を確認しようとしたりします。
深いところでは、
- こんなに世話を焼く自分は、良い親だ
- ちゃんと導ける私は、価値のある存在だ
と感じることで、自分の不安を支えている場合もあります。
これも、弱さではなく、不安から身についた関わり方のひとつです。
②【迎合型】合わせることで愛されようとする
「嫌われたくない」「波風を立てたくない」と、つい自分を後回しにしてしまうタイプ。
このタイプには、主に2つの背景があります。
- 「親を見捨てるなんて」という社会的・道徳的な罪悪感
- 幼少期に十分な愛情を感じられず、頼られることで愛を感じてきた経験
どちらにも共通しているのは、条件を満たさなければ関係が壊れるという深い不安です。
その恐れがあると、関係を手放せなくなってしまいます。
それは決して弱いわけではなく、その人なりに必死で関係を守ってきた結果ともいえるでしょう。
③【救済型】助けていないと存在価値を感じられない
「親がかわいそう」「私が支えなきゃ」と、相手を助け続けることで自分の価値を保つタイプ。
①の支配型とも似ていますが、こちらは子の側に多いタイプです。
優しさや責任感からの行動ですが、その裏には「必要とされたい」という気持ちが隠れていることがあります。
頼られることで安心できる一方、離れることがとても怖くなってしまうのです。
優しさや責任感の強い方ほど、この形になりやすい傾向があります。
共依存の何が悪いのか?よくない3つの理由

一見「支え合っている」ように見える共依存。
ですが、実際にはお互いが自分の人生を生きられなくなるという、苦しさが積み重なっていきます。
ここでは、親子間の共依存が苦しくなる3つの理由を見ていきましょう。
① 自分を犠牲にしてしまう
相手を優先するあまり、「自分はどう感じているのか」「本当はどうしたいのか」が、わからなくなっていきます。
その結果、自分の人生を生きている感覚が薄れ、「私の人生は、誰のものなんだろう」と感じることもあります。
② 相手の成長・自立を止めてしまう
「助けたい」「放っておけない」という思いが強いほど、相手が自分で考え、選び、失敗から学ぶ機会を奪ってしまうことがあります。
よかれと思って続けてきた関わりが、結果的に、お互いの自立を遠ざけてしまうのです。
③ 愛情が「不安」や「義務」にすり替わる
共依存の土台には、「この関係を失ったら、自分の価値や居場所が揺らいでしまう」という深い恐れがあります。
そのため、
◯ 愛しているから関わる
✕ 不安や義務感から関わる
この境界が、少しずつあいまいになっていきます。
関連記事:
共依存とは「愛」ではなく「恐れ」の関係

共依存の関係では、愛そのものよりも、恐れが行動の原動力になっています。
- 見捨てられるのが怖い
- 嫌われるのが怖い
- ひとりになるのが怖い
- 役に立たない自分には価値がない気がする
その恐れから、支配したり、我慢したり、助けすぎたりしてしまうのです。
愛したい気持ちが、恐れに引っ張られてしまっている状態ともいえるでしょう。
本当の愛とは、相手の自由と成長を信じて、見守ること。
また、共依存におちいる理由の根底には、代々受け継がれてきた価値観や生きづらさの負の連鎖が関係していることも少なくありません。
詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
関連記事:
共依存から抜け出す一歩を踏み出すために

親子の共依存は、「愛を失うことへの不安」に支えられた関係です。
だからこそ、距離を取ろうとすると「冷たい」「見捨てた」という感覚にすり替わり、
罪悪感として表れてくるのは、とても自然な反応です。
けれど、そこに気づいた瞬間から、関係は変えられます。
親を責める必要も、無理に許す必要もありません。
まずは、自分の心を守る選択をすること。
それが、あなた自身を大切にしながら、親子関係を健全な形へ整えていく第一歩になります。
一人では整理しきれないと感じたら
それでも、
- 罪悪感がどうしても消えない
- どんな距離感がいいのかわからない
そんなときは、ひとりで抱え込まなくて大丈夫です。
当カウンセリングでは、親との関係で生まれた思考パターンを丁寧にひもときながら、
あなた自身の「心の敷地」を取り戻すお手伝いをします。
初回の方は、お試しカウンセリングもご用意しています。
安心できる環境で、あなたの中にある「本当の気持ち」を少しずつ見つけていきましょう。





