あなたを縛る生きづらい価値観の手放し方8ステップ

「いつまでも生きづらい」
「なぜかいつも同じことで悩んでしまう」

そんなとき、心の奥にある「刷り込まれた価値観」があなたを縛っていることがあります。

今回ご紹介するのは、そうした生きづらさの元になる価値観を見つけ、手放し、自分らしく生きるための8つのステップです。

 実際のカウンセリング事例も交えながら、解説していきます。

ステップ1)生きづらさの元になっている価値観を見つける

まず大切なのは、「今の生きづらさ」がどんな価値観からきているのかを見つけることです。
親から刷り込まれた思い込みや、無意識のルールが関係していることが多くあります。

ポイントとして
「〜しなきゃ」
「〜であるべき」
「〜してはいけない

と思っていることを洗い出してみましょう。

生きづらい価値観の一例

「努力しなければ価値がない」
「人に頼ってはいけない」
「自分の感情を出してはいけない」
「人の機嫌を見ながら行動しなきゃいけない」
「人の期待に応えなきゃいけない」
「子どもは親の言う事に従わなければならない」
「女性は男性をたてるべき」

など。

【Aさんの例】

6歳の子どもを持つAさんは、
「子どもがかわいいと思えない」
「感情をぶつけられると嫌悪感を覚える」と悩んでいました。
カウンセリングを通して浮かび上がってきたのは、
「自分の弱さを人に見せてはいけない」という価値観でした。

ステップ2)その価値観が生まれた背景を探る

その価値観は、いつ・どんな経験から生まれたのでしょうか?
以下のような視点で思い出してみてください。

  • 幼少期に親や周囲からよく言われていたことは?
  • 両親との関係の中で、「こうしなきゃ」と思い込んだ体験は?
  • 社会的な常識(集合的無意識)として受け入れてきたものは?

【Aさんの例】

Aさんは、幼い頃から母親に「感情を出してはいけない」と言われて育ちました。
その結果、「人に弱さを見せてはいけない」という価値観が深く根づいていたのです。

ステップ3)その価値観に触れたときの感情を言語化する

価値観が根づいた当時、自分はどんな気持ちだったのか。
そのときの感情を思い出し、未解消だった感情を完了させましょう。

思い出せない場合は、その価値観によって今苦しくなっている出来事をイメージし、そのときの感情を言語化してみます。

感情の一例:

  • 悲しい
  • 寂しい
  • 怒り
  • 嫉妬
  • 嫌悪感 
  • 劣等感
  • 抑圧感

など。

【Aさんの例】

素直に感情を出す人を見ると、Aさんは「うらやましさ」を感じていたそうです。
本当は、自分も感情を出したかったのかもしれません。

ステップ4)過去の自分を受け入れ、ねぎらう

当時の自分に、今の自分からねぎらいの言葉をかけてあげましょう。

「辛かったね」
「よくがんばってきたね」
「本当は甘えたかったんだよね」

過去の自分をねぎらうことは、ありのままの自分を受け入れることにもつながります。

ステップ5)その価値観のメリット・デメリットを整理する

その価値観があったことで、できていたことは何でしょう?
逆に、どんなことが苦しかったのでしょうか?

【Aさんの例】

メリット:「人に弱さを見せないことで、何でも自力で頑張れていた」
デメリット:「子どもが感情を出すとイライラする」「他人に甘えている人を見てモヤモヤする」

ステップ6)その価値観を手放した自分を想像してみる

価値観を手放したら、どんな未来が待っているでしょう?
具体的に想像し、言葉にしてみてください。

  • どんな言葉を話しているか
  • どんな行動をしているか
  • どんな気持ちで過ごしているか
  • 周囲の人(家族や友人)はそんなあなたを見てどんな気持ちになるか

【Aさんの例】

「子どもが感情を出すことを、自分を信頼してくれている証だと思えるようになる」
「そう思えたら、自分の気持ちも穏やかになり、子どもも安心して落ち着いてくれる気がする」

ステップ7)新しい価値観に書き換え、理由を添える

古い価値観を反対の言葉に書き換え、自分に許可してみましょう。
そして、自分が納得できる理由をつけることで心に定着しやすくなります。

「弱さを見せてはいけない」→「弱さを見せてもいい」
 理由:完璧な人間なんてこの世にいないから
感情は抑え込むほど増えるものだから

「頑張らなきゃ価値がない」→「ありのままでも価値がある」
理由:人は生きてるだけで価値があるものだから

【Aさんの例】

「人に弱さを見せてはいけない」→「弱さを見せてもいい」
理由:弱さを見せられるということは、相手を信頼することだから

ステップ8)書き換えた価値観を毎日、自分に語りかける

新しい価値観を定着させるために、ステップ7)で書き換えたことばをそのまま毎日自分に語りかけましょう。

 人によって違いはありますが、2〜5週間ほど続けると、新しい考え方が脳に定着するといわれています。

加えて「自由な考え方を受け入れてくれてありがとう」と、感謝のことばを自分に語りかけるとより効果的です。

【Aさんの例】

「人に弱さを見せてもいい。弱さを見せられるということは、相手を信頼することだから」

カウンセリングで無意識の価値観や感情をひも解

無意識の価値観や感情を見つけるのは、思っている以上に難しいこともあります。

「もうこの価値観は必要ない」と頭でわかっていても、
なかなか手放せないのは、それがあなたをずっと守ってきたものだからです。

決してあなたが弱いから変われないのではありません。
それほどまでに私たちの行動や感情は、無意識レベルで価値観に左右されているからです。

当カウンセリングでは、生きづらさのもとになっている価値観をお悩みの深堀りによってひも解いていきます。

同時に自分が今までフタをしていた、価値観の奥にある感情まで引き出せます

もし「ひとりでは難しい」と感じたら、専門家のサポートを頼ってみてくださいね。