「話していても、共感が得られない」
「何度伝えても、同じところですれ違う」
「自分の気持ちが、どこにも届かない気がする」
アスペルガー傾向や共感性の低いパートナーとの関係で、
このような状態が続くと心と体は少しずつ悲鳴を上げていきます。
こうした状態が長く続き不調が起こることを、カサンドラ症候群といいます。
今回は、
- カサンドラにならな人と、なる人の違い
- カサンドラにならない人の共通点
についてお話しします。
カサンドラ症候群にならない人がいるのはなぜ?
実は、アスペルガー傾向や共感性の低いパートナーと一緒にいても、
全員がカサンドラ症候群になるわけではありません。
同じような状況でも、
A. 強い閉塞感に追い込まれ、抜け出せなくなる人
B. 自分なりのちょうどよい距離感を見つけられる人
この2つに分かれていきます。
ではその違いは、「我慢強さ」や「ポジティブさ」の差なのでしょうか。
結論から言うと、違います。
カサンドラ症候群になる・ならないを分けるのは、
・苦しい関係の中で、同じやり取りを繰り返しているか
・どこかのタイミングで「このままでは変わらない」と気づけるか
その違いだといえるでしょう。
カサンドラになる人をさらに追い込む「負のループ」

カサンドラ症候群に苦しむ人の多くは、
気づかないうちに同じしんどさを繰り返す「負のループ」の中に入っています。
話しても分かってもらえないという絶望感が積み重なる
↓
自分の心を守るために「正解」を一つに固定する
↓
正しさで相手を変えようと必死になる
↓
相手は変わらず、さらに分かってもらえない
↓
失望と被害意識が強まり、最初に戻る
このループの中にいる限り、
どれだけ頑張っても、閉塞感は深まっていくばかりです。
ここで注意したいのは、カサンドラの人が「正解を一つに決めたくなる」のは、
心が弱いからではないということ。
共感や理解を得られない状況に長く置かれ、
自分を保つために「正解」という支えを必要としてきたからです。
かつてのわたしも、カサンドラ症候群の絶望感や閉塞感から抜け出せずにいました。
では、このループから抜けられる人は何が違うのか?続いてお話しします。
カサンドラにならない人の3つの共通点

同じ状況にいながら、カサンドラ症候群になる人とならない人は
何が違うのでしょうか。
ここでは、カサンドラにならない人の3つの共通点についてお話しします。
① 正解・普通を一つに絞らない
「私はこう思う」という立場を持つこと自体は、とても健全です。
自分の感じ方や考えを持たなければ、
人は簡単に振り回されてしまいます。
ただ、カサンドラ症候群にならない人、回復していく人は、
それを「これが唯一の正解だ」と固定はしません。
正解を一つに絞ると、何よりも自分の心が縛られ苦しくなっていきます。
反対に考え方の余白を残すと、相手との対話が一方通行にならず、
結果的に、自分の心を守ることにもつながるでしょう。
② 自分が負のループにいることに気づく
これまで
「頑張れば、いつか相手が変わってくれる」
「私が変われば、うまくいく」
と信じて、精一杯向き合ってきた方も多いのではないでしょうか。
カサンドラにならない人、回復していく人は、どこかのタイミングで、
その期待が関係を良くするよりも、自分を消耗させる「負のループ」に
入り込んでいることに気づきます。
そして、自分の心が壊れてしまう前に、
変わらない関係を「変えようとし続けること」を手放します。
それは投げ出すことでも、
相手を切り捨てることでもありません。
自分の人生を守るために、
同じ負のループにい続けないと決める、主体的な選択です。
③ 違いを認めたうえで、ルールを決められる
カサンドラ症候群にならない人、
そして回復していく人の最大の共通点は、
「違いを認めたうえで、ルールを決められる」という点です。
だからといって、相手の特性や考え方を完璧に理解できているわけではありません。
それでも、
「この人は自分とは違う世界を見ている」
という前提に立っています。
その一助として、
アスペルガーの特性に関する本や情報に触れ、
相手の行動の傾向を
「自分なりに知ろうとする」ことが
助けになる場合もあるでしょう。
そのうえで、
どこまでなら一緒にやれるのか、
どこからは自分が壊れてしまうのか。
自分を守るためのルールを
現実的に決めていきます。
それは我慢でもあきらめでもなく、
同じ閉塞感を繰り返さないための選択です。
「ならない人」と「なる人」の分岐点

実は、分かれ道はとてもシンプルです。
このまま、同じ閉塞感の中にとどまり続けたいか。
それとも、しんどさはあっても、
別の可能性に目を向けてみたいか。
人は誰でも、
慣れた環境のほうが安心を感じられるものです。
たとえ苦しさがあっても、
そこにとどまる選択をすることもあります。
それは弱さでも間違いでもありません。
ただ、その場所にいる限り、
悩みの形は大きく変わらないまま続いていきます。
ここで大切なのが、
「しんどいけれど、向き合ってみたい」という姿勢が
自分の中にあるかどうかです。
向き合う=自分を責めることではない

向き合うとは、自分を責めることではありません。
また、答えを一つに決めることでもありません。
自分の心のバランスを取り戻したうえで
今の関係をどう扱うかを、「自分の意思で」選べるようになること。
たとえば、
・関係を修復し、今のまま一緒にい続けるのか
・別居など、物理的な距離を取りながら関係を見直すのか
・離婚という選択をするのか
自分と相手にとって、最善の選択をすること。
それが、自分と向き合って目指す着地点です。
カサンドラの渦中にいる方は、長い期間傷ついて絶望した結果、
戦闘態勢や防御姿勢から抜け出せなくなっていることも少なくありません。
どうしても心のバランスを取り戻せない自分を、まずは責めないでほしいと思います。
1人では整理しきれないと感じる場合は、
カウンセリングなどで伴走者の助けを借りることも、
一つの方法です。
否定もされず、責められもしない安心した環境で気持ちをことばにしていくことで、
自分を縛りつけていた苦しさの正体が、少しずつ見えてくるかもしれません。



