「人の役に立ちたい」という気持ちは、とても素晴らしいものです。
でも、ここに思わぬ落とし穴があります。
それは「役に立てなかった時に自分が落ち込んでしまう」こと。
もし思い当たるなら、
あなたは「人の役に立たなければ、自分には価値がない」と感じているのかもしれません。
実は、この考え方はアダルトチルドレンの方によく見られる心理です。
なぜそうなるのか?
実際のカウンセリング事例を交えて、くわしく見ていきましょう。
人の役に立てないと辛くなってしまう理由

人は誰かに必要とされたい生き物です。
「人の役に立ちたい」という気持ちは、ごく自然で健全なもの。
でも、もしこの気持ちが「自分の価値」と深く結びついていたらどうでしょう?
その場合、あなたの心の奥には
「誰かに認めてもらいたい」 という強い想いがあるのかもしれません。
「人に認められることで、自分の価値を確かめる」—— そんな状態になっていると、
期待した反応が得られなかった時に強く落ち込んでしまうことがあります。
でも自分の価値を自分で認められるようになると、相手の反応に振り回されにくくなります。
「思ったような反応がないと落ち込む」Aさんの場合

ここで、実際のケースを見てみましょう。
Aさんは、困っている人を見ると放っておけず、つい助けたくなってしまう優しい人です。
ですが、相手がアドバイスを聞いてくれなかったり、思ったような反応をしてくれなかったりすると「自分が信用されていない」と感じて落ち込んでしまいます。
お話を聞くと、
Aさんは子どものころ親から 「ちゃんと勉強しないとダメな人間になる」と言われ続けていたそうです。
Aさんは親に認められようと、一生懸命頑張りました。
そして無意識のうちに「頑張らない自分は、愛されない=ありのままの自分には価値がない」 と思うようになったのです。
本来、人は存在しているだけで価値があるもの。
しかし、Aさんのように「条件付きでないと人から愛されない」と感じながら大人になっている人は少なくありません。
では、もしAさんが「ありのままの自分にも価値がある」と思えていたらどうでしょう?
今回のように、たとえ相談者が自分のアドバイスを聞いてくれなかったとしても
「相手はただ話を聞いてほしかったんだな」 と冷静に受け止められるかもしれませんね。
なぜなら、自分の価値は相手の反応で決まるものではないと分かっているからです。
大切なのは気持ちのバランス

承認欲求は多かれ少なかれ誰にでもあるもの。
ゼロにする必要はありませんし、すべて無くすのはほぼ不可能でしょう。
大切なのはその気持ちの「バランス」です。
「人の役に立ちたい」という貢献の気持ちと「認めてもらいたい」という承認欲求。
両方のバランスがうまく取れると、見返りがなくても落ち込まずにいられます。
「安心の土台」を作り自分を認めることから始めよう
もしあなたが「人の役に立たなければ自分には価値がない」と感じているなら、
まずは、自分が安心できる心の土台を作ることから始めましょう。
ポイントは、自分から出たあらゆる感情はネガティブなものも含めすべて自分で認めてあげること。
「そう感じているね、それでいいんだよ」と、ありのままの自分を受け入れます。
そして1日の行動を振り返り、できたことはしっかり褒めます。
上手くいかなかったときは「そんなこともあるよね、よくがんばったね」
と、自分を慰める声掛けをしてあげるとより効果的です。
はじめはピンとこないかもしれませんが、
続けていくうちに自己肯定感が上がっていきます。
そして「安心の土台」ができると、自分の価値を他人の反応に委ねずにいられます。
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安心の土台を作ればいいのは分かったけど、一人では「どうすればいいかわからない」という方もたくさんいらっしゃいます。
そんなときは、一人で抱え込まずに専門家の力を頼るのもよいでしょう。
カウンセラーはあなたの気持ちに寄り添いながら、一緒に解決策を見つけてくれます。
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